はじめに:分詞って何?
「分詞」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、実はみなさんが普段から目にしている形です。
分詞とは、動詞が変化して形容詞のように名詞を修飾する形のことです。
たとえば、こんな英語を見たことがありませんか?
- a running dog(走っている犬)
- a broken window(壊れた窓)
running も broken も、もともとは動詞(run, break)ですが、ここでは形容詞のように名詞(dog, window)を修飾していますよね。これが「分詞」です。
分詞には2種類あります。
- 現在分詞(-ing形):running, sleeping, exciting ...
- 過去分詞(-ed形 / 不規則変化):broken, written, excited ...
この記事では、この2つの違いから、入試で頻出の分詞構文まで、ゼロからていねいに解説していきます。
1. 現在分詞(-ing)と過去分詞(-ed / p.p.)の違い
分詞を理解するうえで一番大切なのは、**現在分詞と過去分詞の「意味の違い」**を正確につかむことです。
現在分詞(-ing):「〜している」(能動・進行)
現在分詞は 動作をしている側 を表します。
The boy running in the park is my brother. (公園を走っている少年は私の兄です。)
boy が run という動作を「している」ので、能動の関係です。
過去分詞(-ed / p.p.):「〜された」(受動・完了)
過去分詞は 動作をされた側 を表します。
The window broken by the ball was expensive. (ボールで割られた窓は高価だった。)
window は break という動作を「された」ので、受動の関係です。
一目でわかる比較表
現在分詞(-ing) | 過去分詞(-ed / p.p.) | |
|---|---|---|
意味 | 〜している(能動・進行) | 〜された(受動・完了) |
名詞との関係 | 名詞が動作をする側 | 名詞が動作をされる側 |
例 | a sleeping baby(眠っている赤ちゃん) | a stolen car(盗まれた車) |
イメージ | 主語が自分で「〜する」 | 主語が誰かに「〜される」 |
見分け方のコツ:修飾される名詞が「する側」なら -ing、「される側」なら過去分詞。これが分詞のすべての基本です。
2. 分詞の形容詞的用法(前置修飾と後置修飾)
分詞が名詞を修飾するとき、置く位置によって2つのパターンがあります。
前置修飾(名詞の前に置く)
分詞が 1語だけ のときは、名詞の前に置きます。ふつうの形容詞と同じ位置ですね。
a sleeping baby(眠っている赤ちゃん)
a broken vase(壊れた花瓶)
the falling leaves(落ちていく葉)
a used car(中古車=使われた車)
後置修飾(名詞の後ろに置く)
分詞が 他の語句をともなって2語以上 になるときは、名詞の後ろに置きます。
a baby sleeping in the bed(ベッドで眠っている赤ちゃん)
the letter written in French(フランス語で書かれた手紙)
the man standing at the door(ドアのところに立っている男性)
the cake made by my mother(母が作ったケーキ)
前置 vs 後置のまとめ
パターン | ルール | 例 |
|---|---|---|
前置修飾 | 分詞が1語 → 名詞の前 | a sleeping baby |
後置修飾 | 分詞+語句(2語以上) → 名詞の後ろ | a baby sleeping in the bed |
これは日本語と英語の大きな違いです。日本語では「ベッドで眠っている赤ちゃん」と修飾語が前に来ますが、英語では長い修飾語は後ろに回します。
3. 分詞の叙述用法(SVCとSVOC)
分詞は名詞を修飾するだけでなく、**文の補語(C)**としても使えます。これを「叙述用法」と言います。
SVC(第2文型)での使い方
The door remained locked. (ドアは鍵がかかったままだった。)
She sat reading a book. (彼女は本を読みながら座っていた。)
SVOC(第5文型)での使い方
入試で特に大事なのが、SVOC で分詞が O(目的語)の補語になるパターンです。
keep + O + 分詞
I kept the window open. → 形容詞 I kept him waiting for an hour. → 現在分詞 (私は彼を1時間待たせた。)
him が wait するので、能動 → 現在分詞(waiting)
leave + O + 分詞
Don't leave the door unlocked. (ドアに鍵をかけないままにしないで。)
door が unlock されるので、受動 → 過去分詞(unlocked)
She left the baby crying. (彼女は赤ちゃんを泣かせたままにした。)
baby が cry しているので、能動 → 現在分詞(crying)
find + O + 分詞
I found the book very interesting. → 形容詞
I found him sleeping on the sofa. (彼がソファで眠っているのを見つけた。)
him が sleep しているので、能動 → 現在分詞(sleeping)
I found my bike stolen. (自転車が盗まれているのに気づいた。)
bike が steal されたので、受動 → 過去分詞(stolen)
have / get + O + 過去分詞(使役・被害)
I had my hair cut. (髪を切ってもらった。)← 使役
I had my wallet stolen. (財布を盗まれた。)← 被害
どちらも目的語が「される」側なので過去分詞。意味は文脈で判断します。
SVOC の分詞まとめ
動詞 | 使い方 | 例 |
|---|---|---|
keep + O + -ing | O を〜させ続ける | kept him waiting |
leave + O + -ing / p.p. | O を〜のままにしておく | left the door locked |
find + O + -ing / p.p. | O が〜しているのに気づく | found him sleeping |
have + O + p.p. | O を〜してもらう / される | had my hair cut |
4. 感情動詞の分詞 ― exciting vs excited
分詞の中でも特に間違えやすいのが、感情を表す動詞の分詞形です。
なぜ間違えやすいのか?
surprise(驚かせる)、excite(興奮させる)、interest(興味を持たせる)などの動詞は、もともと「人に感情を起こさせる」という意味を持っています。
ここから2つの分詞が生まれます。
分詞 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
surprising | 驚かせるような → 物の性質 | The news is surprising. |
surprised | 驚かされた → 人の感情 | I am surprised. |
覚え方
- -ing(現在分詞)→ 物・出来事の性質(〜させるような)
- -ed(過去分詞)→ 人の感情(〜させられた → 〜した気持ち)
主な感情動詞の分詞一覧
動詞 | -ing(物の性質) | -ed(人の感情) |
|---|---|---|
excite | exciting(ワクワクさせる) | excited(ワクワクした) |
interest | interesting(興味深い) | interested(興味を持った) |
surprise | surprising(驚くべき) | surprised(驚いた) |
bore | boring(退屈な) | bored(退屈した) |
tire | tiring(疲れさせる) | tired(疲れた) |
confuse | confusing(混乱させる) | confused(混乱した) |
disappoint | disappointing(がっかりさせる) | disappointed(がっかりした) |
amaze | amazing(びっくりさせる) | amazed(びっくりした) |
satisfy | satisfying(満足させる) | satisfied(満足した) |
frighten | frightening(怖がらせる) | frightened(怖がった) |
例文で確認
The game was exciting. (その試合はワクワクするものだった。) → 試合が人をワクワク「させる」→ -ing
The fans were excited. (ファンたちは興奮していた。) → ファンが興奮「させられた」→ -ed
The movie was boring. (その映画は退屈だった。) → 映画が人を退屈「させる」→ -ing
I was bored during the movie. (映画の間、退屈だった。) → 私が退屈「させられた」→ -ed
判断のコツ:主語が「人」なら -ed、主語が「物・事」なら -ing と覚えておけば、ほとんどのケースで正解できます。
5. 分詞構文とは?
ここからが分詞のもう1つの大きなテーマ、分詞構文です。
分詞構文とは、接続詞と主語を省略して、分詞で始まる副詞節を作る表現のことです。
まずは具体例を見てみましょう。
When she heard the news, she started crying. (そのニュースを聞いたとき、彼女は泣き出した。)
この文を分詞構文にすると、こうなります。
Hearing the news, she started crying. (そのニュースを聞いて、彼女は泣き出した。)
「When she」が消えて、heard が Hearing に変わりましたね。
分詞構文の作り方3ステップ
- 接続詞を消す(When, Because, If など)
- 副詞節の主語を消す(主節の主語と同じ場合)
- 動詞を -ing 形にする
ステップ | 変化 |
|---|---|
元の文 | When she heard the news, she started crying. |
Step 1 |
|
Step 2 |
|
Step 3 | Hearing the news, she started crying. |
受動態の場合
副詞節が受動態のときは、being + 過去分詞 → being を省略して過去分詞で始めます。
Because it was written in French, the letter was difficult to read. → (Being) Written in French, the letter was difficult to read. (フランス語で書かれていたので、その手紙は読みにくかった。)
being は省略されることが多いので、過去分詞で始まる分詞構文 = もともと受動態と覚えておきましょう。
否定の分詞構文
分詞の前に not を置きます。
Not knowing what to do, I asked my teacher for advice. (何をすべきかわからなかったので、先生に相談した。)
6. 分詞構文の主なパターン
分詞構文は、もともとの接続詞によっていくつかの意味を持ちます。入試で出るのは主に3つです。
(1) 時(〜するとき、〜しながら)
Walking along the river, I found a beautiful flower. (川沿いを歩いているとき、きれいな花を見つけた。) = When I walked along the river, ...
Turning the corner, he saw a large building. (角を曲がると、大きなビルが見えた。) = When he turned the corner, ...
(2) 理由(〜なので)
Being sick, I stayed home all day. (病気だったので、一日中家にいた。) = Because I was sick, ...
Not having a car, she takes the bus every day. (車を持っていないので、彼女は毎日バスに乗る。) = Because she doesn't have a car, ...
(3) 付帯状況(〜しながら、そして〜)
文末に置かれることが多いのが特徴です。
She sat on the bench, reading a novel. (彼女はベンチに座って、小説を読んでいた。)
He left the room, saying nothing. (彼は何も言わずに部屋を出た。)
The dog lay on the floor, wagging its tail. (犬は尻尾を振りながら床に寝そべっていた。)
パターンまとめ
意味 | 元の接続詞 | 例 |
|---|---|---|
時 | when / while | Walking along the river, I found ... |
理由 | because / as | Being sick, I stayed home. |
付帯状況 | and / while | She sat reading a novel. |
分詞構文は接続詞がないので、どの意味かは文脈で判断します。入試では前後の内容からどの意味かを読み取る力が求められます。
7. 入試でよく出る!分詞の見分け方
ここまでの知識を使って、入試問題を解くためのチェックポイントを整理しましょう。
チェックポイント
- 修飾される名詞(or 主語)が「する側」か「される側」か?
- する側 → 現在分詞(-ing)
- される側 → 過去分詞(-ed / p.p.)
- 感情動詞かどうか?
- 主語が人 → -ed(感情を感じている側)
- 主語が物・事 → -ing(感情を引き起こす側)
- 分詞構文か?
- 文頭やカンマの後に -ing / 過去分詞 → 分詞構文の可能性
- 接続詞を補って意味が通るか確認
- SVOC構文の中か?
- keep / leave / find / have + O + 分詞 → O と分詞の関係で判断
練習問題
次の空所に入る語を選んでみましょう。
Q1. The movie was so _____ that I fell asleep. (A)bore (B)boring (C)bored (D)boredom
Q2. _____ from the sky, the island looked like a leaf. (A)Seeing (B)Seen (C)Having seen (D)To see
Q3. I found the door _____ when I came home. (A)lock (B)locked (C)locking (D)to lock
解答と解説
Q1. 正解:(B)boring
主語が The movie(物)で、「その映画は退屈させるようなものだった」という意味。物の性質を表すので現在分詞の boring が正解。「映画がとても退屈だったので眠ってしまった」。もし主語が I(人)なら bored になります。
Q2. 正解:(B)Seen
分詞構文の問題。主節の主語は the island(島)。島は「見られる側」なので受動の過去分詞 Seen が正解。「空から見ると、その島は葉っぱのように見えた」。= When it was seen from the sky, ...
Q3. 正解:(B)locked
find + O + 分詞 の SVOC 構文。the door は lock「される側」なので過去分詞 locked が正解。「家に帰ったら、ドアに鍵がかかっていた」。
まとめ
ポイント | 内容 |
|---|---|
分詞の本質 | 動詞が形容詞の働きをする形 |
現在分詞(-ing) | 「〜している」能動・進行 |
過去分詞(-ed / p.p.) | 「〜された」受動・完了 |
前置修飾 | 1語の分詞 → 名詞の前(a sleeping baby) |
後置修飾 | 2語以上 → 名詞の後ろ(a baby sleeping in the bed) |
SVOC | keep / leave / find / have + O + 分詞 |
感情動詞 | 人の感情 = -ed、物の性質 = -ing |
分詞構文 | 接続詞+主語を省略 → 分詞で副詞節を作る |
分詞構文の意味 | 時・理由・付帯状況(文脈で判断) |
見分けのコツ | 名詞が「する側」か「される側」かで判断 |
分詞は「する側なら -ing、される側なら過去分詞」というたった1つの原則がわかれば、どんな問題にも対応できます。この記事の例文を何度も読み返して、感覚を身につけていきましょう。
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