はじめに:関係代名詞って何がムズかしいの?
英文法の中でも「関係代名詞」は苦手な人がとても多いテーマです。
苦手になる理由はシンプルで、**日本語にはない「文のつなぎ方」**だからです。
日本語では「東京に住んでいる友達がいる」と言えば1文で終わりますよね。でも英語では、もともと2つの文だったものを関係代名詞という接着剤で1つにくっつけるという発想で文を作ります。
- I have a friend. (友達がいる。)
- He lives in Tokyo. (彼は東京に住んでいる。)
- → I have a friend who lives in Tokyo. (東京に住んでいる友達がいる。)
この who が関係代名詞です。2つの文をつなげて、1つのスッキリした文にしてくれます。
この記事では「関係代名詞って何?」というところから、入試で狙われるポイントまでゼロから解説します。
1. 関係代名詞の基本:2つの文を1つにする
関係代名詞を理解するコツは、もともと2つの文だったと考えることです。
手順を見てみよう
ステップ1:2つの文を用意する
I have a friend. He lives in Tokyo.
ステップ2:共通する部分を見つける
「a friend」と「He」は同じ人ですよね。
ステップ3:後ろの文の共通部分を関係代名詞に変える
He → who(人だから)
ステップ4:関係代名詞を先行詞のすぐ後ろに置く
I have a friend who lives in Tokyo. (東京に住んでいる友達がいる。)
ここで覚えておくべき用語が2つあります。
用語 | 意味 | 例文での該当箇所 |
|---|---|---|
先行詞 | 関係代名詞が説明する名詞 | a friend |
関係代名詞 | 2つの文をつなぐ接着剤 | who |
関係代名詞のうしろには 先行詞を説明する文(関係詞節) が続きます。「who lives in Tokyo」の部分が「a friend」を後ろから修飾しているイメージです。
もう1つ例を見てみよう
I read a book. + It was very interesting.
→ I read a book which was very interesting. (とてもおもしろい本を読んだ。)
先行詞が「a book(物)」なので、関係代名詞は which を使います。
2. 主格の関係代名詞(who / which / that)
関係代名詞には格があります。まずは一番基本の主格から見ていきましょう。
主格とは、関係代名詞が関係詞節の中で主語の役割をしている場合です。
先行詞が「人」→ who
The girl who is singing on the stage is my sister. (ステージで歌っている女の子は私の姉です。)
who のうしろを見てください。who is singing → who が主語ですよね。だから「主格」です。
先行詞が「物・動物」→ which
I bought a bag which was made in Italy. (イタリア製のカバンを買った。)
which のうしろも which was made → which が主語です。
人でも物でもOK → that
The girl that is singing on the stage is my sister. I bought a bag that was made in Italy.
that は人にも物にも使える万能選手です。会話では that が一番よく使われます。
まとめ表
先行詞 | 主格の関係代名詞 |
|---|---|
人 | who / that |
物・動物 | which / that |
人でも物でも | that |
主格の見分け方
関係代名詞のうしろに動詞がすぐ来る → 主格
- the man who lives here(who のあとに動詞 lives)
- the book which was on the desk(which のあとに動詞 was)
3. 目的格の関係代名詞(whom / which / that)
次は目的格です。関係代名詞が関係詞節の中で目的語の役割をしている場合です。
2つの文から考えてみよう
She is the teacher. + I respect her the most.
her → whom
→ She is the teacher whom I respect the most. (彼女は私がもっとも尊敬する先生だ。)
whom のうしろを見てください。whom I respect → I が主語、respect が動詞で、whom は respect の目的語ですよね。だから「目的格」です。
先行詞が「人」→ whom(who も可)
The man whom I met yesterday was very kind. (昨日会った男性はとても親切だった。)
フォーマルな文では whom を使いますが、日常会話では who を使うことも多いです。ただし、入試では whom が出題されるので覚えておきましょう。
先行詞が「物・動物」→ which
This is the movie which I watched last week. (これは私が先週観た映画だ。)
that でもOK
This is the movie that I watched last week.
目的格でも that は人・物どちらにも使えます。
目的格の見分け方
関係代名詞のうしろに主語 + 動詞が来る(目的語が欠けている) → 目的格
- the teacher whom I respect(whom のあとに I + respect → 目的語が欠けている)
- the movie which I watched(which のあとに I + watched → 目的語が欠けている)
4. 所有格の関係代名詞(whose)
所有格は whose だけです。先行詞が人でも物でも whose を使います。
先行詞が「人」の場合
I have a friend. + His father is a doctor.
His → whose
→ I have a friend whose father is a doctor. (お父さんが医者の友達がいる。)
先行詞が「物」の場合
I found a house. + Its roof was red.
Its → whose
→ I found a house whose roof was red. (屋根が赤い家を見つけた。)
物が先行詞のときも whose を使います。「of which」で書き換えることもできますが、whose のほうが自然です。
所有格の見分け方
関係代名詞のうしろに名詞がすぐ来る → 所有格(whose)
- a friend whose father is a doctor(whose のあとに名詞 father)
- a house whose roof was red(whose のあとに名詞 roof)
3つの格を並べて整理
格 | 先行詞が人 | 先行詞が物 | 見分け方 |
|---|---|---|---|
主格 | who / that | which / that | うしろに動詞が来る |
目的格 | whom / that | which / that | うしろに主語 + 動詞が来る |
所有格 | whose | whose | うしろに名詞が来る |
この表は超重要です。入試で「どの関係代名詞を入れるか」を問われたら、この表の「見分け方」を使って判断しましょう。
5. 関係代名詞の省略
関係代名詞は省略できる場合とできない場合があります。ここは入試でもよく狙われるポイントです。
目的格は省略OK
This is the movie (which / that) I watched last week. (これは私が先週観た映画だ。)
She is the teacher (whom / that) I respect the most. (彼女は私がもっとも尊敬する先生だ。)
目的格の関係代名詞は省略しても文の意味が通じるので、省略できます。実際の会話では省略するほうが自然です。
主格は省略NG
The girl who is singing on the stage is my sister. (ステージで歌っている女の子は私の姉です。)
この who を省略すると「The girl is singing on the stage is my sister.」となり、動詞が2つ(is singing と is)になって文が壊れます。だから主格は省略できません。
所有格(whose)も省略NG
I have a friend whose father is a doctor.
whose を省略すると「I have a friend father is a doctor.」となり、意味が通じません。
省略のルールまとめ
格 | 省略 |
|---|---|
主格(who / which / that) | できない |
目的格(whom / which / that) | できる |
所有格(whose) | できない |
**覚え方:「目的格だけ省略OK」**と覚えれば十分です。
6. that が好まれるケース
who / which と that はほぼ同じ意味ですが、that のほうが好まれる(that を使うべき)場面があります。入試でもよく出るので押さえておきましょう。
(1) 先行詞に最上級がつくとき
This is the best movie that I have ever seen. (これは私が今まで見た中で最高の映画だ。)
(2) 先行詞に the first / the last / the only がつくとき
She is the only person that understands me. (彼女は私を理解してくれるたった1人の人だ。)
He was the first student that answered the question. (彼はその問題に答えた最初の生徒だった。)
(3) 先行詞に all / every / any / no がつくとき
All the books that I bought were interesting. (私が買った本はすべておもしろかった。)
Is there anything that I can do for you? (何かお手伝いできることはありますか?)
(4) 先行詞が「人 + 物」のとき
I saw the man and his dog that were walking in the park. (公園を歩いている男性と犬を見た。)
先行詞に人と物が混ざっているとき、who も which も使えないので that を使うのがルールです。
that が好まれるケースまとめ
ケース | 例 |
|---|---|
最上級 | the best ... that |
the first / the last / the only | the only ... that |
all / every / any / no | all ... that |
人 + 物 | the man and his dog that |
7. 入試でよく出る!関係代名詞の見分け方
入試で関係代名詞の問題が出たとき、次の手順で解けば正解にたどりつけます。
チェックポイント
- 先行詞を見つける → 空所の直前にある名詞が先行詞
- 先行詞が人か物か → 人なら who / whom、物なら which の可能性
- 空所のうしろを見る → 動詞があれば主格、主語+動詞があれば目的格、名詞があれば所有格
- that が好まれるケースか → 最上級・only・all などがあれば that
練習問題
次の空所に入る語を選んでみましょう。
Q1. She is the teacher _____ I respect the most. (A)who (B)whom (C)which (D)whose
Q2. I have a friend _____ mother is a famous singer. (A)who (B)whom (C)which (D)whose
Q3. This is the most beautiful picture _____ I have ever seen. (A)who (B)which (C)that (D)whom
解答と解説
Q1. 正解:(B)whom
空所のうしろを見ると「I respect」→ 主語(I)+動詞(respect)が来ていて、respect の目的語が欠けています。つまり目的格です。先行詞は the teacher(人)なので、目的格の whom が正解。「彼女は私がもっとも尊敬する先生だ。」
Q2. 正解:(D)whose
空所のうしろを見ると「mother」という名詞がすぐ来ています。関係代名詞のうしろに名詞が来るのは所有格のサイン。whose が正解。「お母さんが有名な歌手の友達がいる。」
Q3. 正解:(C)that
先行詞に最上級(the most beautiful)がついているので、that が好まれるケースです。which でも文法的には間違いではありませんが、入試では that が正解になります。「これは私が今まで見た中でもっとも美しい絵だ。」
まとめ
ポイント | 内容 |
|---|---|
関係代名詞の本質 | 2つの文を1つにつなげる接着剤 |
主格(who / which / that) | うしろに動詞が来る → 主語の役割 |
目的格(whom / which / that) | うしろに主語+動詞が来る → 目的語の役割 |
所有格(whose) | うしろに名詞が来る → 所有の関係 |
省略のルール | 目的格だけ省略OK |
that が好まれるケース | 最上級・only・first・all・人+物 |
見分けのコツ | 先行詞が人か物かを確認 → 空所のうしろを見て格を判断 |
関係代名詞は「先行詞は何か」「格は何か」の2つを押さえれば、実はシンプルです。まずはこの記事の例文を何度も音読して、感覚をつかんでいきましょう。
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